2022.01.14

確定申告で住宅ローン控除の適用を忘れてしまった場合に、更正の請求を行えるか

[相談]

私は個人事業主で、毎年自分で所得税の確定申告を行っています。

さて、私は一昨年11月に新築マンションを購入し

同年12月初めに引っ越しを行い、そのマンションでの居住を開始しました。

そのマンションの購入については住宅ローンを組んでいるため

昨年申告した一昨年分の所得税の確定申告にて

事業所得の申告とあわせて住宅ローン控除の適用を受けようと考えていたのですが

うっかりしていたため確定申告書に住宅ローン控除の適用を受けるための記載をすることや

必要な書類の添付をすることを忘れ、そのまま申告してしまいました。

そこでお聞きしたいのですが、私は一昨年分の所得税確定申告について

「更正の請求」を行うことで住宅ローン控除の適用を受けることはできるのでしょうか。

[回答]

住宅ローン控除については、残念ながら更正の請求を行うことは

できないこととされていますが、税務署の判断により適用を受けられる場合がありますので

一度、所轄税務署に相談されることをおすすめいたします。

[解説]

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度の概要
所得税法上、個人が、国内において住宅の取得等をして

これらの家屋を令和3年12月31日までの間にその人の居住の用に供した場合において

その人がその住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有するときは

原則として、その居住の用に供した日の属する年以後10年間の各年のうち

その人のその年分の合計所得金額が3,000万円以下である年については

その年分の所得税の額から、住宅借入金等特別税額控除額を控除することと定められています。

この制度を、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)といいます。

この住宅ローン控除は、所得税の確定申告書に、原則として

住宅ローン控除の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり

かつ、その金額の計算に関する明細書、登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り

適用するものと定められています。

2.住宅ローン控除の適用漏れについての更正の請求の可否
税法上、納税申告書を提出した人は、その申告書に記載した税額等の計算が

国税に関する法律の規定に従っていなかったり、その計算に誤りがあったりしたことにより

その申告書の提出により納付すべき税額が過大であること等の場合に該当するときは

その申告書の法定申告期限から5年以内に限り、税務署長に対し

その申告について「更正の請求」を行うことができると定められています。

しかしながら、住宅ローン控除のように一定事項の申告等を条件に所得金額

税額の減免をすべきものとされているものについてその申告等をしなかった人については

その申告自体が法律の規定に従っていなかったり、計算に誤りがあったりしたわけではないことから

その特例の適用を求めるために上記の「更正の請求」をすることは許されないと解されています。

一方で、税務署長は、確定申告書の提出がなかった場合や

確定申告書に住宅ローン控除に関する事項の記載や

必要書類の添付がない確定申告書の提出があった場合においても

その提出等がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは

その記載をした書類等の提出があった場合に限り、住宅ローン控除の規定を適用することができる

とも法律で定められていますので

今回のご相談の場合には、まずは所轄の税務署に一度相談されることをおすすめいたします。

2022.01.09

中古マンションの購入に対する住宅ローン控除の適用可否

[相談]

令和3年11月に中古マンションを購入し、12月初めに引っ越しをし

そのマンションでの居住を開始しました

中古マンションの購入についても、住宅ローン控除の適用はあるのでしょうか。

[回答]

ご相談の中古マンションの購入については、

定の要件を満たせば、住宅ローン控除の適用が可能です。

[解説]

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度の概要
所得税法上、個人が、国内において住宅の取得等をして

これらの家屋を平成11年1月1日から令和3年12月31日までの間に

その者の居住の用に供した場合において、その者がその住宅の取得等に

係る住宅借入金等の金額を有するときは

原則として、その居住の用に供した日の属する年以後10年間の各年のうち

その者のその年分の所得税に係るその年の合計所得金額が3,000万円以下である年については

その年分の所得税の額から、住宅借入金等特別税額控除額を控除することと定められています。

この制度を、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)といいます。

2.中古マンションの取得についての住宅ローン控除の適用可否
上記1.の住宅ローン控除の対象となる住宅の取得等には

居住用家屋の新築や居住用家屋で建築後使用されたことのないものの取得だけでなく

建築後使用されたことのある家屋(中古住宅)の取得も含まれています。

ただし、中古住宅の取得の場合には

その家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年

(マンションなどの耐火建築物(※)の建物の場合には25年)以下であること

配偶者その他その者と特別の関係がある者からの取得でないこと

贈与による取得でないこと等の要件が設けられていますので

そのお客様の確定申告を行う際には

それらの各種要件を満たしているかどうかをしっかりとご確認いただくことをおすすめいたします。

※耐火建築物とは、登記簿に記録されたその家屋の構造のうち

建物の主たる部分の構成材料が石造、れんが造、コンクリートブロック造

鉄骨造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造であると定められています。

2021.12.18

改正電子取引 令和5年末まで書面保存を認容

令和4年度税制改正大綱で宥恕措置を明記宥恕措置の関係など今後の電子保存対応を詳報

12月10日令和4年度与党税制改正大綱が決定しました。

令和4年1月1日以後、検索要件等の保存要件を満たす形で電子取引の取引情報に係る

電子データの保存が義務化されますが、所轄税務署長への事前申請が不要な

宥恕措置の整備が同大綱に盛り込まれています。

同措置の適用によって、令和5年12月31日までは出力書面での保存も認められ

実質的にこれまでの出力書面又は電子データのいずれかを保存する方法が2年間継続することになります。

同措置は今月下旬に公表される省令等改正で手当てされる見通しです

手続不要で書面保存可,R6年以降は電子保存必須

令和4年度与党税制改正大綱で、電子取引について宥恕措置が示されました。

令和5年12月31日までの電子取引の取引情報に係る電子データについて

保存要件に従い保存ができなかったやむを得ない事情があり

かつ、税務調査で出力書面の提出等に応じる場合には

その出力書面での保存を認めるという内容です。

出力書面の保存に当たって「引き続き所轄税務署長への手続を要せず」とあるとおり

これまでの出力書面の保存をする場合と同様に手続不要で書面での保存が認められます

ただし、令和6年以降の電子取引においては同措置の適用はなく

保存要件を満たす形で電子データ保存が必要となります

個社状況に応じて宥恕措置を適用

宥恕措置の適用に当たって「所轄税務署長が電子取引の取引情報に係る電磁的記録を

保存要件に従って保存ができなかったことについてやむを得ない事情があると認める」

といった要件があります。この“やむを得ない事情”は、現時点で例えば

『システム整備の予算が確保できなかった』

『他業務との兼ね合いでシステム整備に時間がかかり間に合わなかった』

『社内ワークフローの整備が追いつかなかった』など

その企業の状況において対応が困難であったというのであれば

基本的にはやむを得ない事情があるとして同措置の適用対象になるようです。

つまり「事業者の実情に配意し」引き続き手続不要で書面保存を認めるものと

なるようです

また、同措置がなかったとしても電子データ保存に対応できず

書面保存をしていたことのみをもって、青色申告の承認取消しや

経費の損金算入が不可とはならないことを国税庁が明確にしています。

このことから、相応に間口が広い措置になるとみられています

 

 

2021.12.04

コロナ禍で抑えておくべき財務指標

東京商工リサーチの調査によると、2021年上半期(1月~6月)の全国企業倒産件数は3,044件でした。

この数字は、過去50年間でバブル期(1990年)に次ぎ、2番目に低い水準です。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大により業績が悪化した企業に加えて

コロナ禍以前より資金繰りに窮していた企業が

いわゆる「コロナ融資」を受けることで目先の資金を確保できた結果だと考えられています

ただし、「コロナ融資」はあくまでも延命措置です。

返済開始までに本質的な事業再構築を進めることができなければ

資金は枯渇し、倒産企業は急増していくことが予想されます

こうした事態を防ぐためにも

経営者は会社の生命線である財務状況を適切に把握した上で

先を見据えた経営戦略を描く必要があります。

今回は、コロナ禍で抑えておくべき財務指標についてお伝えします。

①売上債権回転率・・・売上高÷売上債権

売上債権回転率は、売上高を売上債権(受取手形+売掛金)で割って算出します。

これは販売した商品代金の回収速度を示すもので

回転数が大きいほど、債権回収の速度が速いといえます。

コロナ禍前の適正水準よりも数値が悪化している場合は

取引先の業績悪化などで取引条件通りの回収ができなくなっている等の可能性があります。

早めに適切な対処をするためにも、売上債権回転率は継続的に注意深く

観察する必要があります

②棚卸資産回転率・・・売上高÷棚卸資産

棚卸資産回転率は、売上高を棚卸資産(商品、製品、仕掛品、原材料などの合計額)

で割って算出します。

この比率が高いほど、商品や製品の売れ行きがよい、

また、売れ行きに見合った商品や製品を在庫として保有しているといえます。

同業他社との比較や、自社の過去の実績との比較などで

数値の変化を把握しておくことは重要です。

回転率が低くなっているような場合は、休眠在庫(スリーピングストック)や

不良在庫(デッドストック)が発生している可能性が高いため

早急に確認する必要があります。

③当座比率・・・当座資産÷流動負債×100

当座比率は、流動資産の中でも換金性の高い当座資産

(現金預金・受取手形・売掛金・有価証券等)を流動負債で割って算出します。

短期的な支払能力を図る指標であり

一般的に80%を下回ると資金繰りが苦しくなるといわれているため

活用していない固定資産を売却して現金化することや

借入金の借り換え(短期→長期)等を進める必要があります。

④借入金月商倍率・・・(短期借入金+長期借入金+社債)÷(売上高÷12)

借入金月商倍率は、借入金等を月商で割って算出します。

この指標は、借入金が事業規模と比較して多すぎないかどうかを判断する目安となります。

コロナ融資により、借入金が急激に増加した企業も少なくないはずです。

返済計画を見据えて、従来の運転資金を確保することができるよう

コントロールしておく必要があります

 

上記の財務指標を一度算出し

コロナ禍において自社の財務状況がどのように変化しているのか、確認しておきましょう

 

 

2021.11.27

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けるための要件

[相談]

令和4年1月1日からの改正電子帳簿保存法施行にあたり、法人税申告について

いわゆる「優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置」の適用を受けるための

届出書を提出することを計画しています。

当社は、仕訳帳・総勘定元帳の他に、売掛帳や買掛帳などの帳簿も作成しているのですが

売掛帳や買掛帳などについては仕訳帳・総勘定元帳とは別の業務システムを使用しています。

社内で確認したところ、電子帳簿保存法上の優良な電子帳簿の要件を満たしているのは

仕訳帳と総勘定元帳を作成している会計ソフトのみであることが分かったのですが

このような場合、その法人は上記軽減措置の適用を受けることができるのでしょうか

[回答]

ご相談の場合、法人税について優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を

受けることはできないものと考えられます。

[解説]

1.優良な電子帳簿とは

電子帳簿保存法上の優良な電子帳簿とは

同法に規定する国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって

その国税関係帳簿の備付け及び保存に代える電子帳簿のうち

電子帳簿保存法施行規則に定める要件をすべて満たした電子帳簿をいうものと定められています。

 

2.優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置

電子帳簿保存法上の優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置とは

上記1.の優良な電子帳簿に記録された事項に関し修正申告などがあった場合において

過少申告加算税が課されることとなったときは

その過少申告加算税の額を、原則として、国税通則法の規定により計算した過少申告加算税の金額に

5%の割合を乗じて計算した金額を控除した金額とするという制度です。

この優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けられるのは

「特例国税関係帳簿」に記載された事項に限られると定められています。

特例国税関係帳簿とは、国税に関する法律に規定する帳簿を指しますが

法人税の場合は、仕訳帳・総勘定元帳の他に売掛帳や買掛帳を作成している場合には

それらの作成している帳簿すべてが法人税法上の帳簿に該当すると考えられることから

それらの帳簿すべてについて

上記1.の優良な電子帳簿の要件を満たして保存などを行う必要があることとなります。

今回のご相談の場合、その法人が作成している売掛帳や買掛帳については

上記1.の優良な電子帳簿の要件を満たしていないとのことですので

その法人の法人税申告について過少申告加算税が課されたときであっても

優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用を受けることはできないものと考えられます。

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