2021.10.09

改正された所得拡大促進税制における税額控除額

[相談]

令和3年4月1日以降に開始する事業年度から、中小企業者等について

所得拡大促進税制(給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)が改正されていますが

その改正後の制度における税額控除額について教えてください。

[回答]

 ご相談の改正後の所得拡大促進税制の税額控除額は

その事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額の15%相当額となります。

[解説]

1.改正後の所得拡大促進税制の適用要件

令和3年度税制改正後(令和3年4月1日以降に開始する事業年度)の所得拡大促進税制については

その適用要件が「雇用者給与等支給額」の増加要件に一本化されました。

具体的には、中小企業者等の場合、雇用者給与等支給額が前年度と比べて

1.5%以上増加していることが必要とされています。

2.改正後の所得拡大促進税制の税額控除額の計算方法

上記1.の改正後の税額控除額は、原則として

その中小企業者等のその事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額(※1)の15%と定められています。

なお、その税額控除額は、その中小企業者等のその事業年度の所得に対する

調整前法人税額の20%が上限となります。

  1. ※1 控除対象雇用者給与等支給増加額とは、その中小企業者等の雇用者給与等支給額から
  2.   その中小企業者等の比較雇用者給与等支給額を控除した金額(※2)をいいます。
  3. ※2 ※1の金額がその中小企業者等の適用年度の調整雇用者給与等支給増加額
  4.  (※3)を超える場合には、その調整雇用者給与等支給増加額が上限となります。
  5. ※3 調整雇用者給与等支給増加額とは、雇用安定助成金額を控除した雇用者給与等支給額から
  6.  雇用安定助成金額を控除した比較雇用者給与等支給額を控除した金額をいいます。
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2021.10.01

経営計画を作成すると、どう融資判断に影響を与えるか

 金融機関に提供すべき資料は、試算表や資金繰り表といった財務帳票だけではありません。

経営計画(※ここでは利益計画を指します)も金融機関にとっては重要な判断材料となるのです。

今回はそれがどう融資に影響するかをお伝えします。

 

提供する経営計画の内容

3箇年、5箇年計画が望ましいですが、1年分の利益計画だけでも充分です。

注意すべきことは、実態に則った実現可能なものに限ることです。

そして、その計画をどう実行していくかの具体的な方法を記載する必要があります。

金融機関側は、経営計画ではこれから先どうなっていくのか

そして現状は計画通りなのかを知りたいのです。

 

金融機関の予想される反応

まず、経営計画を作成されている会社様が多くはないので

作成しているだけで金融機関側は下記のように評価します。

・しっかりと計画を立てて事業を営んでいる、将来のビジョンが描けている

・計画通りに進んでいれば、今後の計画も達成する見込みが高い

・数字に理解がある経営者である(計画の見直しや対策を行い

   それに至った具体的な説明を行えば、このようにみる可能性が高い)

上記のように、経営計画を金融機関に提供するだけでプラスの判断材料として

良い印象を持たれる可能性が極めて高いです。

 

プラスの印象がどう影響するか、金融機関の事情①

金融機関では難しい融資判断をする際、支店長が担当者に

「君がお金を貸す立場だった場合、この会社、代表者にお金を貸すか?」

と聞くことがあります。

その時、担当者が経営計画の作成等といったプラスの判断材料を話し

良い印象を与えられれば融資の結果が変わることもあります。

支店長も迷う時が必ずあります。

その時には、何か後押しできる判断材料がほしいのです。

 

プラスの印象がどう影響するか、金融機関の事情②

 まず、金融機関の融資業務フローは下記の通りです。

【1】担当者が稟議書を作成

【2】融資課長、次長が所見を記載

【3】支店長が決済

【4】支店長が所見を記載し本部へ稟議を回す(本部決済)

この際、【1】において担当者が融資をする企業の詳細を記載します。

【3】の支店長決済までなら、支店長も融資をする企業の事を分かっていますが

【4】になると、審査部にいる者が融資の可否を判断するので

 上がってきた稟議書と決算書でしか判断してくれません。

そのため、本部決済の場合はどれだけ担当者が

【1】の内容を濃く、深くしてくれるかが融資の結果に影響します。

 

実際にあった事例

数千万円の融資案件で、本部稟議となった会社様がいらっしゃいましたが

その後の本部審査で否決となりました。

しかし、支店長が本部に足を運び、その会社様や代表者様の事

作成されている経営計画書の事等、稟議書には載りきらない細かい部分まで話し

交渉した結果、融資可決となったケースがありました。

このように、プラスの判断材料を提供しているのといないのとでは

明確な差が生じるケースもあります。

 

最後に

業績良好な会社でも融資金額が大きいものや金利が低いもの

期間が長いといった特別な融資を申し込む際は

ほとんどが本部稟議となります。

そのため、良い条件の融資を通してもらうために

経営計画を提供するのもいいかもしれません。

金融機関からの良好な評価を得るためにも、経営計画を作成し

取引金融機関へ提供することをお勧めいたします。

 

2021.09.25

令和3年分源泉徴収票からスマホ撮影で自動転記が可能となります

納税者の利便性向上や転記ミスの軽減効果

国税庁は、スマートフォンのカメラ機能により紙の源泉徴収票を読み取ることで

必要項目がデータ上に自動転記できるシステムを導入するようです。

令和3年分の所得税の確定申告から対応できるようにする見込みです。

同システムを利用することで

納税者は紙の源泉徴収票に記載された金額等を転記する手間が省略化され

転記ミスの防止にもつながるようです。

2022年1月上旬からシステム始動

デジタルを活用した国税に関する手続や業務の見直しとして

国税庁は「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」

の中で税務手続等のデジタル化を掲げていました。

令和2年度・3年度予算において同システムの構想を進めており

2022年1月上旬から本格的に活用を始める見込みです。

同システムは,スマートフォンのカメラ機能を利用するようです

①納税者は、まずスマホ端末から申告データが作成できる国税庁HPの

 “確定申告書等作成コーナー”にアクセスします。

②次に、紙の源泉徴収票をカメラで撮影することによって

 記載されている支払金額や各種控除額等の文字認識が行われ

 必要事項が自動的に転記されます。

これまでは申告書類に紙の源泉徴収票の記載内容を一つひとつ転記する必要がありました。

今後はこうした入力の手間を省略することができ、記載漏れや転記ミスが防止できます

ただし、同システムの利用は源泉徴収票に記載された部分の申告データの作成に限られます

他の所得や医療費控除等の各種控除手続については別途入力する必要があるようです。

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2021.09.17

令和3年7月以降の税務調査対応について

令和3年7月以降の中小企業への税務調査について

現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止などの観点から

国税局の調査課所管法人(資本金1億円以上の法人のことです)に対する実地調査では

調査官が調査対象の会社に訪問したうえで会社のWEB会議システムを用いる

“臨場型”リモート調査が行われることがあります

国税庁は全国税局等に税務署所管の中小規模の法人に対しても

本年7月から臨場型リモート調査を認める旨を連絡しているようです。

法人の規模を問わず臨場型リモート調査

原則として資本金1億円以上の国税局の調査課所管法人では

コロナ禍で調査対象法人への臨場・対面の回数や時間を抑えるために

WEB会議システムを活用した臨場型リモート調査が実施されています。

具体的には、調査官が調査対象の会社を訪問してその会社が利用している

WEB会議システムを活用し、本社に勤務する従業員に対し別々の部屋から

行うリモート調査や、遠隔地の支店や工場などに勤務する従業員への

リモート調査が行われることがあります。

これまでは、一定のネットワーク環境が整えられていると考えられる

調査課所管法人(資本金1億円以上の会社)を対象に

臨場型リモート調査が行われてきました。

しかし、資本金1億円未満の中小企業でもネットワーク環境が整えられていることも考えられます

そのため、セキュリティ保全がされたWEB会議システムであることなどを前提に

資本金が1億円未満で税務署所管法人でも臨場型リモート調査の対応がとられることに

なったようです

納税者からの要望あれば,臨場型リモート調査を実施

会社が調査官に要望した場合に臨場型リモート調査が行われます

特に遠隔地の支社等の従業員等に質問をする際などでの活用が想定されています。

一方、調査で必要な資料などを現場で直接確認する必要があるなどと

判断された場合などは、会社が要望した場合であっても

臨場型リモート調査ではなく通常の対面による調査手法がとられることがあるようです

臨場型リモート調査の実施の前提

〇税務調査では機密性の高い情報のやり取りが行われることや

 システムの脆弱性に起因するリスクがあることを法人が理解していること

〇機密性の高い情報のやり取りを含め

 法人が通常業務で使用しているWEB会議システムを利用すること

〇法人が管理・支配する場所等で,法人が使用する機器・接続環境を利用し

 セキュリティポリシーの範囲内で活用すること

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